栃木県警で初の生え抜き女性警視が誕生 素顔に迫る

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  • Опубликовано: 1 дек 2024
  • 3月の人事異動で生え抜きの女性警察官が、警察の幹部にあたる階級の「警視」に昇任しました。
    「有言実行」をモットーにする栃木県警初の女性警視、その素顔に迫ります。
    栃木県警察本部にある人身安全少年課です。児童虐待やDV、それにストーカーなどの捜査や抑止を担っています。この課で「人身安全対策指導官」としての任に当たっているのは大渕美湖さん(49)。2024年3月の人事異動で、栃木県警の歴史で初めて生え抜きの女性の警視に抜擢されました。
    (大渕美湖警視)
    「女性警察官として意識してきた仕事は無くて、思った以上に周りの注目度が高いので「女性が警視になる」でここまで騒がれるのかというのが正直な気持ちです」
    県警によりますと女性警察官の採用は、1980年の栃の葉国体を見据えて、その2年前の1978年9月に始まりました。そのとき採用された1期生は13人で、去年4月現在で女性の警察官は372人と警察官全体のおよそ1割になりました。
    生え抜きのトップは本部の部長級ら「警視正」が6人いて、本部の所属長などになりうる「警視」は118人います。大渕さんはその中で唯一の女性です。「婦人警察官」として採用された当時は採用が始まってから6期目の代でした。
    大渕さんは旧今市市出身。高校3年生のときに親のすすめで警察官を目指し、宇都宮市の東武宇都宮駅前にある交番の勤務から警察人生が始まりました。
    (大渕美湖警視)
    「当時女性警察官は夜の勤務が無かった。正直、男性警察官は夜勤もあり、いろいろな経験ができていいなと」
    交番の勤務をかわきりに、刑事や警察学校の教官などさまざまな部門で経験を積んできました。
    およそ30年になる警察人生で最も忘れられない事件があるといいます。小山署に勤めていた時のことです。2004年9月に小山市で当時4歳と3歳の兄弟が同居の男から虐待を受けた末、橋から思川に投げ落とされ命を奪われるという残虐な事件がありました。
    二度とこのような事件が起こらないようにと市民らが始めた活動「オレンジリボン運動」は全国に広がり、子どもへの虐待防止のために今も各地で活動が続いています。事件の現場となった橋にはお地蔵様が立ち今も花が絶えることはありません。
    (大渕美湖警視)
    「事件の背景には虐待があった。当時、亡くなった兄弟の保護活動に携わってきたこともあり、事件を思い出すと、何かできたんじゃないかと」
    大渕さんは今も自身に問い続けています。
    (大渕美湖警視)
    「児童虐待を担当する部署に異動したので、その時の気持ちを羽ずれずに、二度とそのような事件がないようにしていきたいと思う」
    私生活では、2006年に結婚し3年後には息子が誕生し、夫や同居の義理の母の支えで出産から1年後職場へ復帰しました。2015年から2年間、宇都宮南警察署で生活安全課長として勤めていたときは深夜に電話が鳴ることや休日に対応することも多かったのに加えて、小学生になりたての息子の育児と並行していてもっとも忙しかったと振り返ります。
    (大渕美湖警視)
    「子どもが『お母さん忙しそうだね』とつぶやいたことがあり、さみしい想いをさせているなと。もう少し時間を取った方がいいかと思いつつ、仕事も大切でした。その分休みは思いっきり遊んであげた」
    実は大渕さんの夫も警察官。現在、宇都宮南警察署の副署長を務めています。
    (大渕政樹副署長)
    「妻としても母親としてもどんなに仕事が忙しくてもおろそかにすることが無い。頭が下がる思いというか。タフというか。妻の努力はさることながら、男女の区別なくキャリアアップしていける組織。多くの人に警察官の道を選んでいただけると嬉しい」
    大渕さんは昇任する前に女性の活躍を推進する部署で働いていました。
    警察官は休日や夜間の対応に加え予定通りに休めないこともあるため、女性の警察官から出産後の復職のタイミングで育児との両立などで相談を受けることもあるといいます。
    (大渕美湖警視)
    「やりたい気持ちがあるから悩む。やりたいという今の気持ちを大切にしてもらいたい。「後悔しちゃダメだよ」と伝えるようにはしています」
    仕事も育児も「やりたい気持ちを大切にしてきた」大渕さん。今後の目標を聞きました。
    (大渕美湖警視)
    「有言実行。与えられた職務に精励させていただき、安全安心なとちぎを作っていくうえでも頑張っていきたい。」
    栃木県警の警察官のなかで「警視」の階級は現在、118人いて全体のおよそ3.4%ほどと少ない割合になっています。そして生え抜きの女性警視がいなかった地域は去年4月までで栃木・岩手・石川・福井・鳥取・鹿児島の6県のみでした。
    大渕さんは「キャリアアップしたいと思っている後輩の女性警察官も続いてくれたら嬉しい」と後輩たちへ笑顔でエールを送りました。県警は今後「キャリアアップの弊害になるところをバックアップしながら職場環境を整えていきたい」としています。

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